蚊対策 − 刺される前と刺された後の対処方法

蚊をそもそも発生させないための方法

蚊の発生と水溜り

蚊の幼虫(ボウフラ)は水中で育つため、蚊の発生には一定量の水が必要です。 近くに池などの水源があれば蚊はそこで繁殖しますが、そうでない場合には降雨により生じた水溜りで繁殖します。

したがって、近くに池などが無いのであれば、蚊が発生するのは暖かい時期になりまとまった雨が降った後です。 つまり、暖かくなってからもまとまった雨が降るまでは蚊に悩まされることはあまりありません。 もっと言えば、暖かくなって雨が降っても水が溜まる場所が少なければ蚊の発生量も少なくて済みます。

ボウフラは次のような場所に生じる水溜りで生育します:
屋外に置いているバケツ・金魚鉢・水槽・古タイヤ(内側に水が溜まる)・飼い犬用の飲み水(毎日水を換えればOK)・鉢植えの敷き皿など

ただし実は上記にとどまらず、もっと少量の水でもボウフラの発生源となります。 ちょっと大きめのカールした落ち葉に溜まる程度の水量でもボウフラは発生するのです。 この程度の水量で発生するのですから、庭木があるような家庭では蚊の発生源を全て絶つのは難しいでしょう。

水の富栄養化にも注意

水の存在だけでなく、水に含まれる栄養分も蚊が大発生する一因となります。 水槽や水溜りなどに落ち葉などの有機物が溜まると、それをエサとする微生物が増殖します。 すると、その微生物をエサとしてボウフラが育ち易くなるというわけです。

米国イリノイ州で湿地に生えるガマやアシなどの草刈りを行ったところ、刈った草のために水が富栄養化してアカイエカの発生量が2倍になったという話が "Ecological Applications" 誌(2015年)に紹介されています。

植物が蚊のエサになる

血を吸うのがメスの蚊だけでオスは植物の汁を吸って生きているというのは有名な話ですが、実はメスの蚊にしても卵を産むために必ずしも血を吸う必要はありません。

植物の汁や花の蜜だけを吸っていても卵を産むことは出来るけれども、動物の血の方が栄養価が高いので、メスの蚊はリスクを犯してまで動物の血を狙います。 メスの蚊の寿命は2〜3週間です。

"Journal of Medical Entomology"(2016年1月)に掲載された米国の研究によると、シマ蚊は付近に花が咲いている水溜りを好んで産卵します。 研究者は、花の蜜がシマ蚊自身だけでなく生まれた子供のエサにもなるためではないかと推測しています。

蚊の発生を抑制するためにできること

上記から、水溜りと植物の存在が蚊の増加の原因であることがわかります。

バケツや古タイヤに溜まった水など、まとまった量のわかりやすい水溜りは処分するとして、他にできることはあるでしょうか? まず、蚊のオスもメスも普段の食事は植物の汁なので、不要な雑木を処分して雑草も全部引っこ抜いてしまいましょう。 庭木もしっかり剪定をします。 こうすることで蚊のエサが減りますし、日当たりと風通しが良くなるために小さな水溜りが蒸発しやすくなって蚊の産卵場所が減ります。

水槽などで浮き草だけを育てている場合には、浮き草の容器に金魚やメダカなどの魚も入れましょう。 ボウフラは魚の格好のエサになります。

近所にプールなどの大きな水溜りがあって蚊の発生に悩まされている場合には、bacillus thuringiensis israelensis という生物兵器の利用を検討しても良いでしょう。 蚊の卵だけを殺し、他の生物には(たぶん)無害というバクテリアです。